夏休みを利用して音高生がソルフェージュ(楽典・聴音・新曲視唱・初見演奏など)の授業をグループで受けに来られます。
ふだんは演奏法中心の指導ですが、ソルフェージュも音楽を専門として勉強される学生には大切な勉強です。
おこがましいですが、実は私は楽典がとても得意!大好き!
自分が高校生の時に苦労したので、問題の解き方を独自で図式化して作っちゃいました。
楽器店に並べられている『楽典』の本は分厚くて覚える量もたくさん有り、ページを開くだけで嫌になると思いますが、音階固有の性質さえ頭に叩き込んでしまえば、どの問題もたやすく解けるのです。
その公式を理解して覚えたら、楽典問題で難解と言われる「調性判断」(得点幅も高い)が、数分で解けます。一番難しい『二声の調性判断』の問題も、数分で大丈夫。
20年前に作った楽典の小冊子は今でもレッスンで大活躍しております!解き方に流行はありませんから。
【出題例】※問題集より
↓このように調号のついている問題はdurかmollか判断すれば良いので容易いですが、
↓下記のような問題の調性判断は、複数の調の可能性があり、一つずつ当てはめて考えると手間取ります。時間切れにならないように、テトラコードなどの音列の特徴を素早く見つけなければなりません。
↓和音やメロディの調性判断問題
↓音列の調性判断問題
このような出題を60分以内にどんどん解いていくのです。ピアノの楽譜で使うト音記号・ヘ音記号に限らずハ音譜表も必ず出題されます。傾向としては「ドイツ音名表記ではなく、日本語で」と追記されている問題が多いので気を付けましょう。
~さて話は変わって~
時代は少子化。音大進学事情も大きく変わっております。
音楽大学そのものの数と受験生の数のバランスが崩れ、受験崩壊の現象が起きて久しいです。
私たちが受験をしていた時代は「音大は浪人していくところ」と言われるほど難しく、そのイメージとは大きくかけ離れた現状に未だに戸惑うばかりですが、
悲しいことに?、いえ受験生にとってはラッキーなことに、難解と言われたソルフェージュの試験そのものを免除する音大も出てきてしまっているほど。
とはいえ、国立系、私立の一部の音大は今でも難しい楽典問題や聴音(曲を聴いて時間制限内に楽譜に書き起こす)などの試験内容が出されますので、志望大学によってはしっかり対策を練らなければなりません。
この夏休み中に楽典を制覇しましょ~!!!
今日は専門性の高い投稿になってしまいましたが、そういう分野もあるのかと知っていただける機会になればと思います。
次回は、
主に小学生低学年のお子様の「読譜」についての投稿を予定しております。
門下生コンサートも無事終了して、今は演奏法に加えて読譜法のご指導もレッスンに取り入れております。
保護者のお母さまには個別にご案内しておりますが、お子様の読譜力を集中して付けたい方は、ぜひ「読譜ワーク」をご一緒しましょう。
毎週の練習曲の譜読みでお家の方が苦労なさらないためにも(笑)、一日も早くお子様に音符を覚えてもらいたいですね。
(近藤直子)