前回は<ピアノの指使いが運指と音色に与える影響>というテーマで投稿しましたが、小さなお子様への指導の中で忘れてならないのが演奏時の指の形、フォームについてです。
大人と違って幼児の指は、爪に近い関節がとても弱くグラグラしているので、鍵盤を押さえるときに関節がペコンとへこんでしまいます。
<ペコン指>で弾くと、打鍵時に鍵盤に触れている指の面積が多くなってペタペタした音になり、指も速く動きません。
変なクセをつけないうちに正しいフォームで弾けるように導きたいのですが、あまり指の形のことばかり注意すると、お子様の『ピアノ大好き~!』『ピアノいっぱい弾きたい~』の気持ちを損ねる心配もあり、
そのあたりの押しと引きは指導者の経験に任せましょう。
指の形が大切な訳は、演奏時の指の形によってピアノの音色が変わるからです。
長く保持する音をしっとり響かせたいときは、あえて指を少し寝かせて鍵盤に触れる指の面積を多めに取る奏法もあります。
この奏法は指を寝かせて打鍵しても<ペコン指>にならない関節の強さを作ってからです。
柔らかい質感の音が鳴り、美しいレガート奏法(音をつなげて弾く)となります。
ピアノを習いたてのお子様は、指の関節を出して美しい音が出せるように気をつけてお稽古しましょう。
前回の投稿でミュンヘン音楽学院のホフマン先生のお話に触れたのがきっかけで、その後、幾つかの懐かしい思い出が次々とよみがえっております。
当時はまだ今ほど円が強くない時代で、1時間のレッスン謝礼が日本円で約4万円。通訳の方へのお礼が1時間5千円。
飲み物はお水がとても高かったので、仕方なく白ビールを飲んでいました。(日本は良いですね)
当時はアルコールが全く飲めず、目がクルクル回っていたことを思い出します(笑)
古い画像で見にくいですが、私の右の大きい男性がホフマン先生。
左が通訳の方。
一番右はたしかホフマン先生の秘書の方と記憶しております。懐かしい~。
さて前回は「指使い」について。そして本日は「指の形」についてのお話でしたが、
次回のブログは「手首の使い方」をテーマに投稿させていただきます。
レッスン生の方はぜひお読みください。
(近藤直子)