いつになったら音符が読めるようになるの?

「音符はいつになったら読めますか?自然に読めるようになりますか?」

そのようなお尋ねに、

 

何年経っても音符がなかなか読めない(覚えない)お子様。

まだピアノを習って間もないのにほとんど自分の力で読譜を進めるお子様。

 

その差は何だろうと、ふと考えてみました。

 

 

昔の話になりますが今のように習いごとが多様化しておらず、ほとんどのお子様の習いごとの代表が「ピアノ」という時代の頃、

夕方にはどこのお家からもピアノの音がポロロンポロロン♪と聴こえ漏れ、一日の練習時間は小さなお子様でも30分、毎日1時間ほどお稽古をしなければ1週間の課題曲のお稽古が間に合わなくて、先生からきびし~いお叱りの言葉をもらい、涙して帰る…

そのような時代が自分自身の子供の時から、20年ほど前までは続いていたのではないでしょうか?

 

保護者のお母様たちからも『厳しい先生』を求められ、音大は女の子の憧れの進学校としてランクインしていました。

1週間の課題曲の量も4~5曲を普通に出して(私も出されて)いたので

レッスンバッグの中にはハノン・ツェルニー練習曲・ソナチネ(ソナタ)・インベンションなどのピアノ教本にに加え、

ソルフェージュ用の楽典の本に5線ノートがびっしり入っていて、レッスンバッグも重たかった~

 

 

そのような時代に「音符が読めない子供の悩み」はほどんどありませんでした。

音符は覚えようとしなくても『自然に覚えてしまう』ものだったからです。

つまり、自然に覚えてしまうほど練習時間をしっかり確保できていたということです。

 

ところが最近は、日替わりでいろいろな<お習いごと>をがんばっているお子様に、毎日ピアノの練習を1時間・・・なんて、

なかなかむずかしそうです。

 

 

ピアノの先生も「自然に読めるようになるからだいじょうぶですよ」という言葉を保護者の方にかけられなくなりました。

本を読む子供が少なくなったので漢字を覚えるのが遅い~という現象に似ていますね。

 

 

読譜は読書と同じです。

 

音符は文字。音列は文章。

文字を一字ずつ読めても、文章全体を読まないとその意味がわからないのと同様に、

音符を一音ずつ読めても、音符を繋げて読まないとどんなメロディーなのかわかりません。

 

 

なので瞬時に音名を読める力をつけることが大切です。

 

では瞬時に音名を読むにはどうしたら良いのでしょうか?

幾つかコツがあります。

 

 

まず、してはいけないこと!

①それは五線を一段ずつ数えて音符を読まないことです。

 

お子様に音名を教えてあげるときに、

『ドはここだから、ドの横線から一本ずつ数えて、ド・レ・ミ…と順番に数えていったら何の音か分かるでしょう!』

このように五線の段を数えてお教えするお母様が多いと思うのですが、それではいつまでたってもお子様は音名を覚えられません。

五線を数えて何の音か探る姿を見せてしまいますと、お子様もそれに習い、記号として一音ずつ覚えるのでなく、線を数えて音名にたどりつく方法でリーディングをする癖をつけてしまいます。

 

何ページもある曲ですといちいち五線を数えていては時間がかかる上、やっと読めても全体の音楽のイメージがつかめず、

そのうち面倒臭くなってピアノが嫌いになってしまいます。

 

線を数えずに、玉(音符の●)の位置を絵のように一つずつ覚える!

これしかありません。

 

 

してはいけないこと二つ目!

②音名や指番号を楽譜に書かないこと。

つい音名をカタカナで楽譜に書きこみたくなりますが、(ドレミ~の)字や指番号を見ながら弾いてしまうと読譜力を習得する機会を逃してしまうので、音名や指使いを書き込むのは控えましょう。

何の音が分からなくなったらそのたびに五線を数えるのでなく、記号として覚えなおすのです。

 

もちろんピアノの先生が、お子様のよく間違える「音」に、指番号や音名を書いて差し上げることもありますが、

音名と指番号を楽譜に書き込んで良い音の選択はピアノの先生に任せ、おうちで全ての音符に音名を書かないようにしましょう。

*ただし習い始めたばかりの半年間は例外です*

 

 

 

お家での練習量が毎日コンスタントに取れないお子様、または練習量が少なめのお子様は、音名を自然に覚えることが難しいので、音楽ワークやドリルを使って意識的に覚えていくしかないのですが、

そのための副教本もいっぱい出版されています。

 

『音符がなかなか覚えられない』という悩みを多くのお子様が感じているからこそ、数多くの音楽ドリル・ワークなどが活用されているのでしょう。

 

最近では読譜用のゲームアプリも有ります。お子様向けですが、大人も十分活用できます。

(レッスン生にはご案内しております。テキストの選択に迷われたらお問い合わせください。)

 

 

音符は限られた数しかないので、小さなお子様も意識的に覚える時間を取るとあっという間に読めるようになります。

ト音記号とヘ音記号で混乱しないよう、まずはト音譜表から覚えましょう。

 

 

覚えては忘れ、忘れては覚える・・・

その繰り返しになりますが、根気よく取り組んでいくうちに「そういえば最近何の音~?と聞いてこなくなったわ」とお子様の自立に気づかれる日がおとずれます♡

 

 

楽譜を読めるようになると、弾きたい曲にどんどんチャンレンジしていくことができて楽しいですよ。

 

 

次回のブログでは5線ノートを使った音符の覚え方をご紹介しましょう。

(近藤直子)

 

 

 

 

 

 

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